パソコン創世記の感想

富田倫生氏作の書籍で、一般書籍でもありますが、著作権が消滅した、あるいは効力があるもので掲載が許諾された文学作品を収集するウェブサイト「青空文庫」に公開されていますので、そちらからでも読める作品です。基本的な話の流れは、NEC(日本電気)が国産初のワンボードマイコンであるTK-80(上記の画像)を出してからパーソナルコンピューターを販売するまでの話で、基本的に日本電気が中心のお話ですが、その過程でパソコンが誕生するまでに活動した人物や企業などの話が織り交ぜられたり、作者自身が戦後の広島で生まれたからなのでしょうか、原爆投下についてのお話も交えています。
基本的な話は、NECのTK-80の誕生やアップルのappleⅠやマイクロソフトのMS-DOSの登場などに携わった人々の話を中心に話しながら、途中で作者の学生時代の当時盛り上がっていた学生運動やその後に入ったヤマギシズムなどの体験談などもつづっています。
少し話は脱線しますが、すべての人を幸福にはできない。それは人の幸福というのは、人によって違うことと人というものは他人より自分が裕福になりたいというのが本質であるので、無理に皆を裕福にしようとすると完全管理社会とかし、それでも管理するというお題目として、管理する立場の人が特権階級化するのは現在共産主義を掲げる国々考えると思います。
話が脱線したのは、この本が最初の方はマイコン誕生の話なのに学生時代の話や、ヤマギシズムの話が出てきているのですので、日本でのマイコンの誕生の話とヤマギシズムについての体験の話が混ざった感じの本です。
色々な登場人物が出て、ノンフィクションの本を読むと特定の人物に肩入れしているような描写が多いのですが、タケシ君とその家族の話は学生時代から社会人になって、色々あってマイコンに出会うまでの話は偏っていますが、それ以外の登場人物については、NECの関係者やのちにマイクロソフトを設立するビル・ゲイツやアップルのスティーブ・ジョブズなどの描写はどちらかというと第三者的な立場で話しているのは、本を参考にして書いているのですが、一人の人物に肩入れして書いていないのは良かったと思います。本によっては登場人物の一人を神聖化して、負の部分を書いていないこともありますがこの本では俯瞰的に書いているのでそのようなことはないと思います。
あと個人的なことですが、この本をノンフィクションとしてもよいと思ったのは、この本の登場人物の一人とあったといいますか話は聞きに行ったといいますか、その時にこの本のことを聞いておおむねこの本のことは正しいと聞いたのでそうなんだと思いました。